全てのプレーヤーがマスターしなければならないファンダメンタル（基礎）があります。それは、シュート・ドリブル・パス・オフェンスとディフェンスの基本的なフットワーク・リバウンディングです。コート上でのポジションに関係なく、これらのファンダメンタル（基礎）は全てのプレーヤーが訓練を受けなければなりません。
それに加えて、プレーヤーはそれぞれのポジション特有の訓練を受けなくてはいけません。ガードプレーヤーが、ポストプレーヤーとは別の訓練が必要なのは当然です。
今回のクリニックではそれぞれのポジションの特別な技術を教えて頂きました。
【ガードプレイヤー】
■ハンドリング（ウォーミングアップ）
ウォーミングアップの一環としてガードプレイヤーの動きからスタートしました。トースティンコーチはどんな練習をするときでも、ウォーミングアップはガードプレイヤーの動きを練習するそうです。（特にガードの選手はどの角度にも手首が曲がらなくてはいけない為、普段から訓練を行っておく。）
①ハーフダウンの状態で円を描くようにドリブル
・インサイドアウトのハンドワークで手からボールが離れる時間を短くする。
・膝の高さで後ろ足の前で行う。
②移動をしながら行う（ドラッグドリブル）
・足とドリブルのリズムを変えられるように
③手首を使ってフローティング
・手首を上から被せるようにする。
→横から持つと判断後の動きが制限されてしまう
④フローティングからドライブ
・オンサイドドライブ
・クロスオーバードライブ
■スペースメーカードリブルドリル
ボールを運んでいるときに（ディフェンスからプレッシャーをかけられた時に）ディフェンスと自分の間にスペースを作るのに有効なドリブルです。
①ドラッグドリブルから1.5歩分爆発的にバック
・バックステップ後は足幅が大きくなりがちなので、肩幅で止まることを意識すると良い。
＊ストップした後に次の動作が遅くならないようため。
②ディフェンスがコンタクトしてきたらロールターン
・かかとを浮かして母子球で回転→しっかりキックをする。
■ドライブ＆キック
ガードのミドルラインドライブ後のキックパスの練習。
①ウィングへのデリバリーパス
・ウィングが欲しいタイミングでデリバリーする。
②ガードのミドルラインドライブ
・ストップの時にシュートが打てる体勢で止まること。
＊日本人プレイヤーは足幅が大きすぎると注意を受けました。
③ヘルプが来たらキックパス
・サイドスナップパス→足を踏み込むことでスピードを出す
・パスは両手でショートキャッチ→ディフェンスが来た時にパスを止められるように。
④状況判断を加えて
・コーチの手が上がった方向へパス。
・両方上がらなければシュート
【ウィングプレイヤー】
■フローターショット
→手首を返さずにボールをぱっと上へ離す。しずくが落ちるようなイメージで行う。
■ホイールステップとドロップステップ
ディフェンスが激しくディナイをしてきた時のステップパターンの紹介です。
・ディフェンスがオーバーディナイの時→リングに向き直らずにゴールに向かってドロップステップ
→ピボットフットのかかとを上げる。パワードリブルで一気にゴールへ（ボールをキャッチするときはすぐにシュートが出来るように手を上から被せる）
・ディフェンスを背中に背負った場合→ホイールステップ
→頭と肩でフェイク
・かかとは上げる
・ワンステップでシュートに行けるようにする。
■オフスクリーンシューティング
試合中にスクリーンを使ってシュートを打つための練習です。ディフェンスの位置を見て以下の3種類からプレーを選択します。
①ディフェンスがスクリーナーに引っかかったら
→スクリーナーの影に入るようにしてボールを受けてシュート
②ディフェンスが後ろを追いかけてきたら
→スクリーナーを中心にしてカールカット
③ディフェンスがスライドでスクリーンを交わしてきたら
→フレアでディフェンスから離れる。（後ろ向きに走らないように）
【ポストプレイヤー】
■カット＆シールドリル
①ローポストからハイポストに向かってカット
・ハイポストでもらえたらそのまま1on1
②カットに対してディフェンスがコースに入ってきたら
→ディフェンスにコンタクトしてからディフェンスのベースライン側の足を巻き込んでシール
③しっかりとシールをしてゴールへアタック
→大きいディフェンスはターゲットハンドへのパスではカット出来てしまうので、スペースに跳びつかせるようにパス
【感想】
以前に何回かトースティンコーチのクリニックを見に行ったことがありますが、毎回その指導の細かさに驚嘆させられます。ステップの使い方、ハンドワーク、目線の位置など一つひとつにしっかりと理論を持って指導をしているのが良く分かります。今回は各ポジションでのファンダメンタルを紹介して頂きましたが、なぜその技術を、どのように使うのかがとても分かりやすかったです。
クリニックの最後にトースティンコーチからの一言。｢小さな変化が大きな違いを生む」。毎回クリニックの最後に必ずおっしゃることですが、毎回実感する一言です。