今日は、私たちがこのツアーの中で最も注目していた、コーディネーションスキルの理論と、その練習方法についてのクリニックがありました。
朝、いつものように車に分乗して出発を待っていると、そこにトースティンの奥さんのエリカさんがやってきました。明日彼女は用事があって来られないので、今お別れを言いに来たそうです。寂しげなエリカさんの顔を見ると、こちらまでとても切なくなりました。
ホテルを出て私たちが向かった先は、今までに数多くのオリンピック選手を生み出した歴史を持つ、ライプツィッヒスポーツ大学です。
後にトースティン自身、「この場所でこうしたクリニックをやらせてもらえて、非常に光栄である」と語っていました。
事前にトースティンから、ドイツには生涯A級のコーチライセンスを持った「伝説のコーチ」と言われているハルベルト=ロイさんという方がいると説明を受けていました。この日の午前はそのような方が講義を行ってくれるというとても贅沢な催しでした。
この生涯A級コーチライセンスというものを簡単に説明すると、ドイツでは、プロチームのコーチや国の代表のコーチなどになるためにはA級コーチライセンスというものがあります。その資格は数年ごとに更新しなければいけないものだそうです。しかしこのロイ氏は、永久に更新の必要がないと認められ、生涯A級のコーチライセンスを持つことを許されたドイツでただ一人のコーチだということでした。
ライプチヒ大学に着いた私たちは、早速ロイさんの待つ教室へ向かい、講義を受けました。講義内容はコーディネーションの理論や考え方、実践方法などでした。コーディネーションというものがどのような分野から成り立っているのか、コーディネーショントレーニングを行うのに最も適した時期を「ゴールデンエイジ」とし、その時期にトレーニングを行う必要性などを細かく教えていただきました。
<講義内容の特筆事項> ・ コーディネーションは7つの分野から成り立っており、その7つは、リズム感(rhythm)・反応(reaction)・バランス感覚(balance)・カップリング(coupling)
空間認知(orientation)・調整力(differentiation)・順応性(adaptability)である。
ゴールデンエイジはおよそ6歳から11歳まであり、年代を考えた練習法が必要である。
真ん中の白いズボンをはいているのがトースティン。
その右隣の黒の上着に灰色のシャツを着ているのが
「伝説のコーチ」ハルベルト=ロイ氏。
< 午前 トースティンによるコーディネーションスキルの講義>
午後からは、実際に私たちもコーディネーショントレーニングに挑戦してみました。紹介してもらったメニューの中には難しいものもあったり、バスケットボールの動きに直接結びつくものもあったりしましたが、一方で、トレーニングという言葉のイメージからは想像できないような、何気ない動作や遊びのようなものもありました。とても楽しい内容で私たちも子どもが遊んでいるかのように夢中になってしまいました。
コーディネーショントレーニングを受ける日本コーチ陣
練習後の質疑応答では、コーチが選手にバスケットを指導する際の示範について特に話題になりました。トースティンによれば、ドイツのコーチライセンス取得の審査では、レイアップシュートやチェストパスなど、基本的な技術の示範力は問われますが、コーディネーションスキルの示範力は問われないそうです。一方で、「コーチ自身が見本を見せられるのが一番ではあるが、できるようになった子どもを見本にすることも、充分効果的である」とも言っていました。
<Visit Brewery “Einsiedler”>
7日間に渡るツアー最後のイベントは、NINERSのメインスポンサーのビール工場見学です。ここでも地元メディアの取材を受けたのですが、「あなた方が写真を撮っているところを撮りたい」と、カメラマンがお願いしてきたときには、変なお願いをするカメラマンもいるものだと感じました。
ドイツでもカメラ付き携帯が流行っているのでしょうか?
工場を見学した後は、いよいよビールの試飲会になりました。ケムニッツの代表的な料理とともに飲むビールは最高です。靴の形をした大きなグラスを使ったゲームをしたりしながら、会は大いに盛り上がりました。
とても大きなビールジョッキ
ちなみの片手では持てません。
伝統的なドイツ料理
ハムにソーセージにパンなどたくさん食べてしまいました。
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